多くのサロンのオイルマッサージ/アロマオイルマッサージでは、キャリアオイルというベースになるオイルに、精油(エッセンシャルオイル、いわゆるアロマ)を混ぜて利用しています。
キャリアオイルは、サロンでのマッサージだけではなくて体の保湿やヘアオイルとして、日々の生活にも取り入れられる便利なグッズです。
今日は、そんなキャリアオイルについて・種類についてご紹介していきます。
目次
キャリアオイルって何?
キャリアオイルは、アロマオイルマッサージで利用する植物から抽出されたベースオイルのことで、アーモンドオイルやホホバオイル、セサミオイルなどが代表的です。
ラベンダーやベルガモットなどのアロマ(=精油・エッセンシャルオイル)は良い香りで精神的なリラックス効果や体調を整える効果があると言われています。ただし、植物から抽出した濃度の高いオイルのため、原液で利用するには香りも効果も強すぎて、肌荒れしてしまう可能性があります。
そこでキャリアオイルという植物由来の低刺激のオイルで希釈することでアロマオイルマッサージに利用しています。
キャリアオイルは、エッセンシャルオイルの成分をお肌・体にcarry(運ぶ)ため、キャリアオイルと呼ばれていると言われています。
最近、駅ビルなどに入っている良い香りがするお店(ボディショップさんやニールズヤードさんなど)などには、「マッサージオイル」として、すでにいくつかのキャリアオイルと精油(アロマオイル)がミックスされたブレンドオイルとして販売されていることも多くあります。
いくつかのアロマがブレンドされているものもがほとんどのため、成分や香りはしっかりチェックしてから購入してくださいね。
サロンでは、備品としての価格の観点と、品質保持や揮発しやすい精油の香りを保持するために、単体のキャリアオイルと精油を施術直前にブレンドして使用しているところが多いと思います。
当店では、アーモンドオイルをキャリアオイルとして基本的には利用しております。
いくつかのオイルを使ってみたのですが、アーモンドオイルが一番、とろみのある肌心地やオイルを拭いた後のしっとり感が心地よく、キャリアオイルとして決めました。
メーカーも本当に色々あるんですが、一般購入できる物の中ではセブンエステさんのアーモンドオイルが一番好きです。(現在は別メーカーを利用しています)
匂いのなさ、価格の安定はもちろん、パッケージの可愛さ(サロン内に置くから大事!)、パッケージの使いやすい部分もとても好きです。
おそらく匂いのなさの部分では、アルミ缶販売のため、透明のプラケース販売よりも品質が保たれているのかな、と思います。プラケース販売のものは少し匂いとべたつきがあるメーカーさんがありました。
パッケージの使いやすいさでは、アルミ缶の上部に縁が作られていて、つかった後にたれたオイルが下まで垂れないところが、地味な違いですが大きな違いで、大変助かってます。
キャリアオイルの種類
当店ではアーモンドオイルに落ち着きましたが、オプションでハイクラスのオイルも扱っています。仕入れたことのないオイルも多いのですが、オイルによって粘性や香りや効果がかなり違って面白いです!
スイートアーモンドオイル
アーモンドの種子から抽出したオイルです。
香りはほぼなし、しっかりとトロトロ感(粘性)があるのに拭き取るとさらっとしていて、マッサージに向いています。ヘアオイルとしては重めなので、1・2滴使う程度が良いです。
オレイン酸、ビタミンABEなど肌に透明感、柔らかさを与える成分が豊富です。
保湿効果のほかに、メラニン細胞の生成を防止したり、メラニン細胞が黒くなることを防止する美白効果があります。また日焼けした肌の炎症を鎮める効果、その他皮膚炎全般に対して消炎効果があります。
あれ肌の方に使っていただくと、お肌が落ち着きます。
※まれにアレルギーを起こすため要注意
また、ゆっくりとですが肌の奥まで浸透していきます。
肌に塗ったまま寝たら、翌朝にはしっとりさらさらになっているほど。
価格は1L3,000円程度。すごく安いわけではありませんが、取り入れ安い価格です。
デメリットは、酸化しやすいこと!
ボトルを開けたら、さっさと使い切れる環境でなければ、酸化しそれこそ匂いやベタつきが出てしまうと思います。
サロン利用でも気を使っている部分です。
ご自宅利用であれば少ない容量で購入がおすすめです。
ホホバオイル
砂漠で育つホホバという常緑低木の種から抽出したオイルです。
化粧品やシャンプーなどによく「ホホバオイル入り」など書かれていて、なんとなく高級感がありますよね。
1L6,500円ほどで、アーモンドオイルの2倍以上、まさに高級オイルです。
質感は軽くオイルなのにかなりサラサラしています。
粘性はあまりなく、お肌の上を摩擦なくするする滑るような質感です。
アーモンドオイルと比べると、明らかにサラサラしています。
日常使いのヘアオイルとして、お風呂上がりの保湿としては特に使いやすい軽さだと思います!
砂漠という過酷な環境で生きている常緑低木のホホバから抽出しているので、保湿力が高いこと・非常に酸化しにくいことが2大特徴です。
数年間の保管でも変質しないといわれていて、自宅・サロンでの長期管理や持ち運びもしやすいです。
ワックスエステルが豊富に含まれていて、お肌に弾力を与える効果もあります。
※まれにアレルギーを起こすため要注意
乾燥に悩んでいるお客様にはお勧めして使いたいオイルですね!
セサミオイル
こちらは、つまりはごま油です。ただし、食用のものとはまったく異なり、さらさらですし香りもほぼなく香ばしい香りももちろんしませんw
匂いがほぼなく、酸化もしにくい、肌への浸透もよく、他のオイルとブレンドにもてきしている、価格も1L3,000円程度と、優等生オイルです!
1点難点があるとすれば、少し重めです。ベタつき感があるというか。
あくまで重さに関してですが、食用のごま油のイメージに近いです。
浸透が良いのですぐサラサラにはなるのですが、触れた瞬間の質感としてベタっとしてしまうところはデメリットかもしれません。ちょっとおうちでは使いにくいかも。
ビタミンEが豊富に含まれていて抗酸化作用が高い、若返りオイルです。
他のオイルと混ぜると、他のオイルの酸化を防止できる効果もあるほど!
抗酸化作用で皮膚のターンオーバーを促進したり炎症を鎮静するなど、お肌トラブル解決の力があるオイルとなります。
ちなみに、食用のものは焙煎して香ばしさをだしていて、マッサージ用は焙煎をせずに無臭のオイルとなっています。
グレープシールドオイル
名前の通り、葡萄の種から抽出されるオイルで、ワイン蒸留後の残った葡萄の種を、洗浄し乾燥し、細かく挽いた上で抽出します、種にオイルは13%ほどしか残っていないため、一般にマッサージオイルは低温圧搾法ですが、低温だと抽出ができずに高温圧搾方で抽出しています。
ワイン好きにとってはそのストーリーも面白いですねw
無色無臭、さらさらしていて、浸透はしにくい、酸化しやすい、ブレンドは可能なオイルです。
使い心地がサラッとしていることや、アレルギー反応をおこしにくいため、日常使いやアレルギーに心配のあるお客様への提供に向いているでしょう。
あとは、サラサラ系オイルなのでハンドやフェイシャルにも使いやすそうですね。
オメガ6系の必須脂肪酸、リノール酸が含まれているとのことで、マッサージ用よりも食用として思いつく方が多いかもしれません。ちなみに食用の場合は、酸化しやすいため熱せずにサラダなどに取り入れる方が良いとのこと。
そのほかにも肌を柔らかくする効果や抗酸化作用もあります。
一番の特徴は、さらっとした癖のない点で、脂性肌・混合肌・べたべたした質感が苦手な方にぴったりのオイルです。
1L3,200円ほどで、価格的にも優等生ですね。
こちらも、一度手にいれてみたいなあ・・・
スクワランオイル
スクワランは高級オイルとしてのイメージが強いですが、実際に1L 6,000円ほどと、ホホバオイルと同じくらい高級なオイルです。
スクワレンという成分に水素を添加して科学的に安定性を高めたものがスクワランとなります。
スクワレンはサメの肝臓やオリーブオイルからも抽出される成分ですが、人間の皮脂にも5%ほど含まれています。そのため肌馴染みがよく乾燥予防になります。
浸透性はよく、軽いオイルで、無臭、比較的酸化しにくく、皮脂に成分が近いために敏感肌の方でも使えるオイルです。
浸透性が良い保湿力の高いオイルは、どうしてもアレルギー反応の可能性がありますが、そのうえアレルギーの心配がすくないというのは大きな特徴ですね。
さらっとしていて無臭、敏感肌でも使いやすく、保湿力もとても高い、酸化のしにくいオイルとのことで、敏感肌の方用にサロン常備するのにぴったりです。
アボカドオイル
アボカドはお好きですか?
食用としては大好きなのですが、マッサージにはいまだ使ったことがありません・・・!
マッサージオイルとしてはなかなかに個性的なオイルのようです。
うす黄色、無臭、参加しにくく、粘性が高くとても重くどろどろとした質感、角質層への浸透力もとても高く、未精製のものは香りも強く、そして、1L8,000円ほどととても高価です。
通常、オイルは種から抽出することが多いですが、こちらは果肉(あの緑色の食べる部分)を乾燥させ粉にしてから抽出します。
うーん、考えただけで贅沢なオイルですね!
諸説ありませすが、オイルマッサージにより向いているのは未精製のもので緑色をしているよものだと言われています。一方で、一般に出回っているのは薄黄色、つまり精製済みのもの。流通しているほとんどのアボカドオイルは精製済みとのことで、緑色のアボカドオイルを手に入れるのはさらに高価になる上に流通も少なく困難かもしれません。
アボカドオイルはその重さゆえに、単体で使うよりも他のオイルにブレンドして使うことに向くようです。
また、重いオイルの場合通常は肌への浸透が良くありませんが、こちらは浸透がとてもよく、肘膝踵などの硬くなりやすい角質のマッサージや、妊娠線や肉割れなどの表皮トラブルのマッサージにも良く向くようです!
ちょっと個性的なようですが、ピンポイントなお悩み解消につかうのに向いているようですね。
オリーブオイル
こちらは食用のほうがずっと一般的ですが、マッサージ用ものもあります。
食用も質の良いものは高価ですが、こちらも1L4,000円ほどと、ホホバやスクワランほどではありませんが高級オイルの部類です。
薄い黄色をして、熟した実の香りがあり、粘性が強く重く、酸化はしにくい、浸透はしやすい、特に乾燥肌に向いているオイルです。
※アレルギーを起こすこともあるので注意が必要です。
重くて癖もあるため、単体というよりは、他のオイルに混ぜて使うのに向いています。
こちらもアボカドオイルと同様、種ではなく実からとるオイルです。
その抽出方法がまた独特ですw
オリーブを陽に当てて、発酵するのをまち、発酵してから種だけを取り出して、実を潰して圧搾。そして濾過します。そこから、食用とマッサージ用に分かれていくとのこと。
考えただけで手間がかかりますし、食用のオリーブオイルも高価なのがよくわかります。
オリーブオイルはビタミンEが豊富で、バリア機能を高めたり炎症を落ち着かせる作用が高いとのこと。
虫刺され、かゆみ、打撲、捻挫、筋肉痛なども!
ちょっとどろどろ系していそうですが、すこし混ぜるような使い方でとりいれるのがベストですね。
ベビーオイル(!?)
こちらは番外編で、よく売っている「ベビーオイル」について。
これは、carryオイルとは呼べないかも。
でも、日常的なお肌ケアにはつかいやすいかも!
というのも、ベビーオイルは鉱物油で、上で書いたような植物油とは別のものです。
つまり、生き物由来ではないオイルになります。
石油由来であり、ガソリンとかと一緒ですね。
もちろんお肌に使える用に高度に抽出されていて、害はありません。
植物油と鉱物油で何が異なるかというと、分子の大きさが異なり、鉱物油のほうが分子が大きく、肌に染み込みにくいものになります。
そのため、肌の上に膜をはって水分が逃げることを防止はしますが、精油をお肌に運ぶ(carryする)、お肌にしみこみオイル自体で保湿をするような効果はあまり期待できません。
逆に言うと、お肌にしみこまないからアレルギーなども起こしにくいとも言えます。
効果はないけど、害もないよ、というようなものです。
※完全にアレルギーが起こらないとも言えません。
安価であること、水分が逃げるのを防いでくれることから、日常使いに、たとえばお風呂上がりなどにアロマをいれて香りを楽しんでボディケアするのには適しているのではないでしょうか。
なによりドラックストアで手に入りますし、日常のボディケアは手軽さが第一でもありますし。
ちょっとひといき・・・・
調べていくと100以上のキャリアオイルがあるらしく(しかも高級なものがおおい)全部仕入れてためしたらそれだけで破産してしまいそうですねw
当店でも少しずつ種類を増やし、選んでいただけるようにしていこうと思っています。
オイルマッサージの醍醐味は触れた時の感触の気持ちよさ。
つまり、オイルの質感によってもかなり変わってくると思います!
ぜひお気に入りのオイルを見つけてみてくださいね。
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